2000年、惨めな年越し、マクドナルドで過ごす元旦
hh1999年、12月29日、私とソンヘイは旅行から帰ったきた。
私は、大家族のホストファミリーの家へ。
彼女は、友達の家へ行く予定だった。
「せっかかの2000年なのでパーティーをしよう」
「みんなでカウントダウンしよう」
と、私にソンヘイを紹介してくれた日本人の友達に誘われていた。
彼女は、2DKのアパートを友達とシェアしていた。
その友達も韓国人だからと、みんなでワイワイ過ごそう!という話だった。
なのだが・・・
旅行から帰ってきて、私たちが彼女に連絡をとると
「ちょっと、まだどうなるか、わからない」
「友達に聞いてみないと・・・」
と歯切れが悪い。
実は、私は前から、だんだんと彼女に避けられているのでは、と感じていた。
私は、いつも、人から嫌われてしまうのだ。
私のことが嫌いなのは、仕方ない。
でも、行き場所のないソンヘイだけは泊めてもらいたかった。
仕方ないので、ソンヘイも私のホストファミリーの家に来た。
倹約家の彼女には、ホテルに泊まるなどという選択肢はないのだ。
帰ってきた私たちをみて、ホストファミリーは、ちょっと嫌そうだった。
「あれ~、年末は、友達の家で過ごすんじゃなかったの?」
「彼女(ソンヘイ)はいつ帰るの?」
そりぁ、年末くらい、家族で水入らずで過ごしたいよね。
30日、31日とホストファミリーの追求は強くなる。
「彼女の家は?」
「元旦はどうするの?」
ホストファミリーの言い分はよくわかる。
年末に自分のところであずかっている子がいるだけでもうざいのに、
その友達まで転がりこんでいるのだから。
圧力に耐えられず、自腹をきって、お菓子とお金を用意した。
それをソンヘイに持たせて、
「これは、お世話になっているお礼です」
「本当にすみません」
と言わせた。
ホストファミリーは、お金は受け取らなかった。
本当に申し訳なかった。
でもありがたかった。私も貧乏だからね。
ともかく、ソンヘイだけでも年越しは、友達の家で過ごさせてほしい。
私は、30日も31日の彼女に電話した。
「ごめ~ん、まだわからないんだ」
自分ことが嫌いな人に頼み事をするのは、本当につらい。
何度も、自分が嫌われていることを確認しなくちゃならないから。
でも彼女が嫌いなのは、私だけなのだから、と思い何度も電話した。
でも、結局、断られた。
「車に乗りきれないの。だから無理。」
カウントダウンまで、数時間前のことだった。
結局、そんな中、2000年を迎えた。
本当にわびしい年越しだった。
新年が明けて、
昼間だけでも、ホストファミリーの迷惑にならないように外にでた。
でも、元旦に開いている店なんて限られている。
こんな時の・・・マクドナルドに行った。
お客はほとんどいなかった。
まぁ~元旦だもんな・・・
客は、私たちと男性ひとり。
彼はひとりだったが、ずっと誰か?と大声で話しをしていた。
「Hi, is there ~?」
「Hi, it is me」
「I know. I know. I know.」
どんどん声が大きくなる。
うるさい
「I don’t know!」
私は、心の中で怒鳴り返した。
彼は、1時間ほど、電話?で話していた後、マクドナルドを出て行った。
静寂が戻る。
ソンヘイは眠り始めた。
何時間もいる私たちに、店員がしびれをきらした。
「あの~ちょっと長く居すぎるのでは?」
「あなたの友達にいたっては、寝っちゃっているし・・・」
「す、すみません・・・」
私たちはマクドナルドを追い出された。
KFCに行く?
外は寒い。
家には帰れない。
仕方ない!
私たちは、バスに乗って、違うマクドナルドに行った。
やはり、そこしかない。
ありがとう。マクドナルド。
そうやって、やはり誰もいないマクドナルドで、ぼ~と座っていた。
すると、トイレから誰かがでてきた。
「I know. I know. I know.」
数時間前に別れたあの電話男ではないか!
あぁ、元旦マックの仲間!
私は、激しい親近感を覚えた。
そして
「 I know too!」
と答えていた。
今の私の感想・・・
たった一日、帰るところがなくて、この騒ぎ・・・
私はこれから一生、帰るところがなくなるというのに。
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