装甲車と武装警官、我が家が包囲される!
今週のお題「人生最大の危機」
ある日の午後、
私と夫は、用事があり家を出た。
その頃住んでいた家は、大通りの反対側に面しており、
私たちはいつも舗装されていない小道を使っていた。
連日続いた雨のせいで、小道のいたるところに水たまりができていた。
空は曇っていて、水たまりにぽつぽと雨のしずくが落ちているのが見えた。
いつもと同じ光景・・・
では、なかった!
向かいの家の塀に誰かがいる。
こちらからは、丸見えだが、どうやら隠れているようだ。
よく見ると・・・
それは、女性警官だった。
女性警官が私たちに気が付くと、
「今、この小道は封鎖されている。使うことはできない」
という。
「そうか、これから、この穴ぼこだらけの小道をなおすのだな」
「こんな穴だらけ、水たまりだらけじゃ、車が通れないもんな」
と私は考えていた。
夫は、
「自分たちは予約があるから、出かけなくてはならない」
と女性警察官に説明しだした。
その時、
今度は、武装した男性警察官がこっちに向かって、走ってきた。
手には、長い銃を抱えている。
「えっ、何事!」
さらに続々と、ヘルメットをかぶり、防弾服に身を包み、
銃を抱えた警官がやってくる。
もう、ここから出られない。
私たちは、家の中へ引き返した。
どうやら、我が家より2軒先の家を包囲したいらしい。
さらに何台ものパトカーがやってきて、
我が家を含めて、近所一体を取り囲む。
もう用事どころではない。
キャンセルだ。夫は、
「家の周りを包囲されたから、外へ出られません」
と相手に伝えている。相手は、ただ、
「えっ!はっ?」
と驚いている。
そうこうしている内に、事態は、おおげさになっていく。
キャタピラー付きの装甲車?がやってきた。
小さい戦車みたいに完全に防弾されていて、
黒くて、窓が異常に小さい。
砲台は、なかった。
始めて見た、あんな車・・・
あっ、写真撮らなくちゃ!
しかし、家の中からだと、うまく撮れない。
そのうち、大きな盾を持った武装団がやってきた。
あ、こういうのテレビで見たことある!
テンションがあがる私。
盾には、顔の高さのあたりに穴が開いていて、そこから銃を出していた。
そして、犯人を威嚇でもしているのだろうか、
集団で蟹のように、右へ左へと移動している。
リズミカルにザッザッと動く音が聞こえる。
ワクワク
そして、スピーカーが鳴り出した。
どうやら、強盗が逃げてきて、その家の立てこもっているらしい。
言っていることは聞き取れないが
「お前は包囲されている」っていうやつだと思う。
「浅野山荘事件みたいじゃないか!」
(知らないけど)
しかしどうも迫力にかける。
駅の案内放送みたいだ
おい、もっと気合いれろ!
その私の願いがかなったのか、
ドカンと爆発音!
警官が、犯人威嚇のために、大きな音のする手榴弾?を投げたのだ。
あたりに煙がたちこめる。
わーキタ、キタ、キター!
「流れ玉にでも当たったら、かなわないなぁ」
と言いながら、
電気釜のおかまをかぶり、
フライパンをベルトで、胸元の固定!
もう、すっかりお祭り気分!
ワク、ワク、ワクー
そうこうしているうちに、最初に女性警官を見てから2時間経過・・・
駅内放送以外、あまり動きがない・・・
つまんない・・・
と、思っていると、装甲車が例の家の庭に侵入!
装甲車の後ろには、警察官がびっしり、張り付いている。
・・・結果は最悪のものとなってしまった・・・
私の心配が的中してしまった・・・
そう、流れ玉に当たってしまったのです。
なんてウソー!
何が起こったか、はっきりわからないまま、
装甲車も警官も帰ってしまったのです。
私の家の窓から見えないところで犯人が捕獲されたらしい。
そりゃ、ないよー!
こんな幕切れひどいじゃないか!がっかり!
それにしても、イヤー、アメリカって、
ほんっとうに怖いところですね。
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ (淀川長治)
現在の私の感想・・・
「浅間山荘事件」とか「淀川長治」とか
古すぎるだろ!
私は遺跡か!埴輪か!土偶か!(あっ、土偶だった)