引きこもり20年、もうすぐホームレス    in アメリカ

日本の大氷河期から逃れ、逃れて、三十路過ぎにアメリカにたどり着く。結婚できたらいいが、それから引きこもり20年!とうとう格安借家からも立ち退き迫られ、夫にも離婚を言い渡され、ホームレスになる日が、秒読みに・・・そんな中、昔書いたエッセイとイラストを見つけ、ブログに残しすことにした。

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不愛想な鉄仮面が、ガラスの心臓を持つババアを、打ち砕く。

私は、ド田舎村出身なので、高校の時から家を出ている。

 

その後、下宿、寮、長屋、一軒家、アパート、

 

マンション、ホームステイ、シェアハウス

 

と今までに13回も引越をしてきた。

 

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その中で最も辛かったのが

 

大学に入ってから住んだところだ。

 

一浪したのに八流大学しか入れなかった私は、

 

これ以上親の心証を悪くしたくなかったし、

 

負担もかけたくなかったので、

 

最も安い物件に飛びついた。

 

それは古ぼけた二軒長屋で、

 

前に大家さんの家があった。

 

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田舎から出てきたばかりの私。

 

いろいろ不安がある中で大家さんを紹介された。

 

「あ、あどうも」

 

垢ぬけず、オドオドしている私に

 

大家さんはニコリもせずに

 

「汚さないように」

 

とだけ言った。本当に不愛想だった。

 

ニコニコ営業スマイルの不動産屋と全く対照的で、

 

顔の筋肉ひとつ動かさない、

 

その鉄仮面みたいな様子に、

 

震えあがってしまった。

 

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この恐れは正しかった。

 

大家さんの奥さんも鉄仮面

 

たまに外で会って、

 

「あ、あ、おはようございます」

 

とものすごい勇気を振り絞って、挨拶をしても

 

「おはよう」

 

不機嫌そうに眉間にしわをよせる

 

いや、挨拶くらい、

 

ニコリとしても罰は当たらないでしょう~

 

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一カ月に一度、

 

大家さんの家に家賃を持っていかねばならなかった。

 

これが本当に負担だった!

 

いつも苦虫を潰したような顔をしていた。

 

そんなに不愉快なら銀行振り込みにしてくれればいいのに。

 

本当に一カ月に一度のこれが

 

苦痛で胃潰瘍になりそうだった。

 

お金を払っているのに、いつも不満そうで

 

「もっと早く持ってくるように」

 

とか必ず何かお小言をいうのだ。

 

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この話には、見かけはそうだったが、

 

本当はいい人だった・・・

 

というオチはない。

 

保証人になってくれた叔父に

 

「男の出入りが激しい」

 

「うるさい」

 

とか苦情の電話を数度しやがった

 

・・・イヤ、なさったのだ。

 

ただ、サークルの先輩が送ってくれただけなのに!

 

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さらに追い打ちをかけたのは、

 

隣に住むおばさんだった。

 

このひとは、木の実ナナにそっくりだった。

 

見かけもガラガラした声も。

 

(イヤ、木の実ナナは好きだけどね)

 

友達と電話をしていると

 

ドンドンドン!

 

「うるさいー!」

 

友達が家に来ると

 

ドンドンドン!

 

「うるさいー!」

 

ともかく、長屋が安普請なのだ!

 

相手の生活音が丸聞こえ。

 

もう、それこそ息を殺すように生活していた

 

友達には、

 

Micchieeは、恐怖の長屋に暮らしている」

 

Micchieeの隣には、『怒鳴りこみおばさん』がいる」

 

と評判になった。

 

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最後には、

 

私のガラス細工のような心はボロボロになり、

 

精神を病んだ。

 

一年契約だったため、

 

我慢に我慢をして一年住み、

 

引っ越した。

 

 

大嫌い(であろう)な私が引っ越すのだから、

 

ニッコリ送り出してくれればいいのに

 

「ちゃんと、きれいにしたか、確認させて」

 

と最後まで、高圧的で、私は震えあがっていた

 

都会って、本当に怖いところだな~。

 

私はこの経験がトラウマになり、

 

隣の物音や自分が立てる音に、

 

ものすごく神経質になってしまった。

 

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その次に引っ越した所の大家さんは、

 

いっつもニコニコしていて、

 

万年恵比寿様みたいな人だった。

 

そして、私の親や叔父に

 

「こんなに素敵なお嬢さん見たことない」

 

「うちにお嫁さんに来てもらいたいくらい」

 

とおべっかのオンパレード!

 

弟は

 

「愛想が良すぎる!絶対悪党にちがいない!」

 

と言っていたが、本当に良心的な人だった。

 

家賃も格安だったし。

 

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この経験が元で、私は不愛想な人が怖い。

 

アメリカに来てから、私にとって何が快適って、

 

アメリカ人というのは、とても愛想がのだ。

 

みんな、ニコニコしている。

 

目があうとひとまず、ニコリ。

 

エレベーターでもバスでもどこでも目があうとニコリ。

 

本当にほっとする。

 

やはり笑顔は、人間関係の潤滑油、

 

明日へのエネルギーですね。

 

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現在の私の感想・・・

 

日本人もお客様には、とても愛想がよく、丁寧。

 

また、他人にも親切。

 

私の経験が特別だったんだろうと思っている。

 

ただ、内々はどうなんだろう・・・

 

パワハラとか体育会系のノリとかあるよね。

 

アメリカは訴訟大国、

 

他人に理不尽な態度を取ったら、

 

すぐ訴えられるからね。

 

私のようなガラスの心臓は、

 

アメリカに住む方が合っていたのかも。

 

note.mu

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