夏休み、トレックアメリカで行く、アメリカ縦断の旅 2
トレックアメリカでは、
それぞれの係を決め、
助け合うシステムを使っている。
例えば、
- 荷物をバンの上に上げたり、下したり、する係。
- 買い物係。
- 料理、片付け係。
なのだ。
料理、片付け係は、三人一組で、
三日間料理、三日間休み、三日間片付けという、ローテンションだった。
私は、ドイツ、デンマークのギャルズと同じグループで、
この係になった。
ある時、イタリアの男の子が、
「本場の人が作ったパスタを食べたい。」
と皆に言われて作った。
彼はパスタを茹でて、その上にオイルを少しかけた。
そうしたら、ドイツの女の子が、わめきだした。
「信じられない!それがイタリアのやり方なの!」
彼女がイタリアの子を罵倒する理由がちっともわからない。
私は、パスタのことなど、ちっとも知らない、
アジアの小島から来たが、
茹でたパスタにオイルをかけるぞ。
そうしないと、みんなくっついてしまうのでは、ないのか?
そんな彼女らと料理を一緒い作るのは不安だった。
Let's cook !
第一日目。
私たちは、カレーを作ることになった。
カレーは、アウトドアの定番
「楽勝でしょう」
と作り始めた。
私は野菜を切るのを、二人に指示したりした。
ドイツの子がまた、わめきだした。
「あなたは、ちゃんと作り方を見ながら、作っているの!?」
「水はもっと足したほうがいいんじゃないの!?」
カレーだぞ。
作り方なんか、いちいち見る必要あるか?
ともかく、私を信用しないで、ぴーちく・ぱーちく、うるさい!
「私はカレーを100回作ったことがあるから、大丈夫」
と答えた。そうしたら
「あなたがわかっているのならいいわ。」
「私たちふたりはごはんを炊くから、あなたがカレーをつくって。」
と言い出した。
それは、少し不公平ではないか、と思ったけど、
大口をたたいた手前、仕方ない。
承知した。
Let's cook !
私のカレーは、問題なくできた。
でもごはんは、ひどかった!
べちょべちょなのに、芯がある。
食べれたもんじゃなかった。
シチューみたいにしゅっちゅうかき混ぜていたから、嫌な予感はしていたが・・・
ここまでひどいとは・・・
ごはんというものは、そんなに作るのが難しいのかと、
皆でコメの袋の後ろに書いてある作り方を読んだ。
「One cup water, One cup rice」
一体、これのどこが間違えようがあるのだ?
せっかかのカレーも、ごはんなしで、みんなの満足を得ることはできなかった。
二日目。
今度は、カレーより、もっと簡単な照り焼きチキンを作ることになった。
今度は、私がごはん当番になった。
「One cup water, One cup rice」
説明どうり、計った。
そうしたら、またまた、ドイツの子がくってかかってきた。
「あなた、昨日のことおぼえていないの!」
「あんなに硬かったでしょ。水をいれなさいよ!」
いや、「昨日のこと」って。
間違えたの、お前だから。
あれだけ昨日間違えたら、普通、もう引き下がって、人にまかせるでしょうが!
そう言いたいのをぐっとこらえて、
「昨日は、適量の水と、適量のコメじゃなかったから、いけなかったの。」
「今日はしっかり計ってやるから。」
と言うと、
「違うわ!もっと水を入れて!」
ここは、昨日の作戦でいこうと
「私は、ごはんを1000回炊いたことがあるから、大丈夫!」
と言った。しかし彼女はひるまない。
「私だって、そうよ!」
うそつけー。
昨日のような恐ろしいものを作っておいて、よく言うわ。
しかし、彼女に押し切らてしまった。
「もっと、これくらい水入れて」
涙をのんで、彼女のいう、半分の量を水を足した。
彼女は不満そうだったが、私は泣きそうだった。
時間がかなりたっても、水は全然減らなかった。
でも彼女らは
「ほらお米、もう柔らかいわ」
と喜んでいるではないか!
そして
「できあがり♡」
とざるにごはんをザザーとあげ、お湯をザバーサバーと切った。
それは、めまいを起こしそうな光景だった。
できたごはんは、べちょべちょだったが、芯はなかった。
もう~、イヤ~!
夕飯になった。
みんなそのごはんを食べて
「Excellent!」
「Perfect!」
と言うではないか!
いや、これのどこが!
これは、お米に対する冒とくだろ!
ここに、せめて、日本人、いや、アジア人の一人でもいてくれたら、
私のこの気持ちをわかってくれただろうに。
私は空を仰いだ。
そりゃ、ないよ~
現在の私の感想・・・
そうか、そんなこともあったなぁ。
この時のババアは、それでも他人とコミュニケーションが取れていたんだな。
今は、テンションを何オクターブも上げないと、他人と会話できない。
そうすると、相手も疲れる。
ババアはもっと疲れる。死にたくなるほどに。
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