引きこもり20年、もうすぐホームレス    in アメリカ

日本の大氷河期から逃れ、逃れて、三十路過ぎにアメリカにたどり着く。結婚できたらいいが、それから引きこもり20年!とうとう格安借家からも立ち退き迫られ、夫にも離婚を言い渡され、ホームレスになる日が、秒読みに・・・そんな中、昔書いたエッセイとイラストを見つけ、ブログに残しすことにした。

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片づけられない夫・・・人間を超越して、「神」となる!

私の夫は、いわゆる「片づけられない男」というやつである。

 

(現在の私…もうすぐ元夫になる…しつこいようだが)

 

「ゴミを(目の前にある)ゴミ箱に捨てる」

 

ということすら、できない。

 

(現在の私…結局20年間できなかった。)

 

 

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     殺してもいいですか?

 

そんな夫の独身時代の話である。

 

夫は、その当時も皿洗いなどやったことなどなく、

 

汚れものは、そのままシンクに置きっぱなしにしていた。

 

幸か、不幸か、そのシンクはとても深くて、

 

たくさんの使用済みの食器とゴミが積み重ねられたそうだ。

 f:id:Micchiee:20190805044254j:plainや、やめて・・・

 

 

そうこうしているうちに、当然カビがわいてくる。

 

そりぁもう、いろいろな色のカビが生えたという。

 

華やかな色合いで、それはもうお花畑のよう。

 

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しかし、そのうち、カビ内での勢力争いが始まる。

 

強いカビは、弱いカビを食い荒らしていく。

 

阿鼻叫喚の地獄絵図。

 

華やかな色は、消えていき、

 

緑、青、黒、とどす暗い色に変わっていく。

 

このまま、黒っぽくなっていくのかと思ったら、

 

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最終段階で、今まで見たこともない、なんともいえない不思議なカビが現れたそうだ。

 

それは、白くて、砂鉄のような、繊維のような、ものだった。

 

その繊維みたいなカビの角と角がくっつき、格子を作り、

 

その格子と格子が重なって、を作る。

 

塔はどんどん高くなり、ついには、シンクの上まで来たそうだ。

 

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まるで、SFをみているようではないか!

 

みんなが共存していたお花畑に、突如、現れた侵略者

 

世界は、暗い闇で覆われ、このまま滅ぶか、と思われたが、

 

突然変異によって、新種が現れる。

 

最終的には、その新種が、近未来の塔を建てていく。

 

高く高くそびえたつ塔が大写しされ、エンドロール。

 

夫は、そのだらしない性格から、

 

カビの世界を作り、破壊を起こさせ、そして、未知の再生まで導いたのだ。

 

神か!

 

 

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他にも・・・

 

ある日、夫はイモを茹でた。

 

食べきれなかったイモは鍋の中に入れ、ガスレンジの上に置きっぱなしにした。

 

蓋はしたそうだが、なんせ安物の鍋、

 

ぴったりとは閉まらなかったそうだ。

 

夫はそのまま旅行にでかけた。

 

 

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数日して、家に戻って、ドアを開けると、

 

家の中で、ショウジョウバエ砂嵐がおきていた。

 

「あ、これはゴミ箱から湧いてきたな」

 

とゴミを捨て、安心して、

 

今度は、友達の家に泊まりに行った。

 

 

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さらに、数日して、家にもどると

 

砂嵐はさらにひどくなっていて、その砂嵐の向こうにある天井一面が、

 

まるでコショウをぶちまけたみたいに黒くなっていた。

 

「なんじゃ、こりゃ」

 

とよく見てみると、天井一面にショウジョウバエが張り付いていたのだ。

 

さすがの夫も、これには、怖くなり

 

大量の殺虫剤をまいて、友達の家に避難した。

 

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数日だって、恐々、家に戻った。

 

今度は、床といい、机の上といい、一面がショウジョウバエの死骸で覆われていた。

 

その厚さは、5ミリぐらいはあったという。

 

よく見ると生き残ったショウジョウバエもいた。

 

でもそれらは、奇形だったそうだ。

 

 

ここで、やっと、夫は鍋に入ったままのイモに気づいて、捨てたそうだ。

 

気付くの、遅すぎるだろー!

 

 

夫曰く、これによって、殺虫剤によるショウジョウバエへのダメージを再認識したそうだ。

 

大虐殺・・・例え生き残っても、DNAが破壊されてしまう・・・

 

これは、まるで、近未来の最終戦争による、地球破壊と、人間達を見ているようではないか!

 

やっぱり、夫は「神」だったのだ!

 

 

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現在の私の感想・・・

 

夫は私にとって、確かに「神」でした。


私を

 

拾う神

 

そして

 

捨てる神

 


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