片づけられない夫・・・人間を超越して、「神」となる!
私の夫は、いわゆる「片づけられない男」というやつである。
(現在の私…もうすぐ元夫になる…しつこいようだが)
「ゴミを(目の前にある)ゴミ箱に捨てる」
ということすら、できない。
(現在の私…結局20年間できなかった。)
殺してもいいですか?
そんな夫の独身時代の話である。
夫は、その当時も皿洗いなどやったことなどなく、
汚れものは、そのままシンクに置きっぱなしにしていた。
幸か、不幸か、そのシンクはとても深くて、
たくさんの使用済みの食器とゴミが積み重ねられたそうだ。
や、やめて・・・
そうこうしているうちに、当然カビがわいてくる。
そりぁもう、いろいろな色のカビが生えたという。
華やかな色合いで、それはもうお花畑のよう。
しかし、そのうち、カビ内での勢力争いが始まる。
強いカビは、弱いカビを食い荒らしていく。
阿鼻叫喚の地獄絵図。
華やかな色は、消えていき、
緑、青、黒、とどす暗い色に変わっていく。
このまま、黒っぽくなっていくのかと思ったら、
最終段階で、今まで見たこともない、なんともいえない不思議なカビが現れたそうだ。
それは、白くて、砂鉄のような、繊維のような、ものだった。
その繊維みたいなカビの角と角がくっつき、格子を作り、
その格子と格子が重なって、塔を作る。
塔はどんどん高くなり、ついには、シンクの上まで来たそうだ。
まるで、SFをみているようではないか!
みんなが共存していたお花畑に、突如、現れた侵略者。
世界は、暗い闇で覆われ、このまま滅ぶか、と思われたが、
突然変異によって、新種が現れる。
最終的には、その新種が、近未来の塔を建てていく。
高く高くそびえたつ塔が大写しされ、エンドロール。
夫は、そのだらしない性格から、
カビの世界を作り、破壊を起こさせ、そして、未知の再生まで導いたのだ。
神か!
他にも・・・
ある日、夫はイモを茹でた。
食べきれなかったイモは鍋の中に入れ、ガスレンジの上に置きっぱなしにした。
蓋はしたそうだが、なんせ安物の鍋、
ぴったりとは閉まらなかったそうだ。
夫はそのまま旅行にでかけた。
数日して、家に戻って、ドアを開けると、
家の中で、ショウジョウバエの砂嵐がおきていた。
「あ、これはゴミ箱から湧いてきたな」
とゴミを捨て、安心して、
今度は、友達の家に泊まりに行った。
さらに、数日して、家にもどると
砂嵐はさらにひどくなっていて、その砂嵐の向こうにある天井一面が、
まるでコショウをぶちまけたみたいに黒くなっていた。
「なんじゃ、こりゃ」
とよく見てみると、天井一面にショウジョウバエが張り付いていたのだ。
さすがの夫も、これには、怖くなり
大量の殺虫剤をまいて、友達の家に避難した。
緊急避難
数日だって、恐々、家に戻った。
今度は、床といい、机の上といい、一面がショウジョウバエの死骸で覆われていた。
その厚さは、5ミリぐらいはあったという。
よく見ると生き残ったショウジョウバエもいた。
でもそれらは、奇形だったそうだ。
ここで、やっと、夫は鍋に入ったままのイモに気づいて、捨てたそうだ。
気付くの、遅すぎるだろー!
夫曰く、これによって、殺虫剤によるショウジョウバエへのダメージを再認識したそうだ。
大虐殺・・・例え生き残っても、DNAが破壊されてしまう・・・
これは、まるで、近未来の最終戦争による、地球破壊と、人間達を見ているようではないか!
やっぱり、夫は「神」だったのだ!
現在の私の感想・・・
夫は私にとって、確かに「神」でした。
私を
拾う神
そして
捨てる神
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