引きこもり20年、もうすぐホームレス    in アメリカ

日本の大氷河期から逃れ、逃れて、三十路過ぎにアメリカにたどり着く。結婚できたらいいが、それから引きこもり20年!とうとう格安借家からも立ち退き迫られ、夫にも離婚を言い渡され、ホームレスになる日が、秒読みに・・・そんな中、昔書いたエッセイとイラストを見つけ、ブログに残しすことにした。

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デブの「ダサ井イモ子」の悲惨な試着室

私は、田舎県田舎村、出身である。

 

服を売っている八百屋に行くのでさえ、車で一時間

 

ともなれば、

 

誰が「ファッショナブル」なんぞに成り得ようか・・・

 

 

小学校の時、

 

「特売品って何ですか?」

 

という生徒の質問に、先生が

 

Micchieeさんが着ているようなTシャツのことです。」

 

と言われて時から、私の

 

「ダサ井イモ子」

 

の人生は、始まった。

 

 

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あれは、18歳の夏だった。

 

私のジーンズは、当然、ゴム入りのものだった。

 

ある日、友達に

 

「ゴム入りのジーンズを穿くようなセンスには、なりたくない。」

 

「私は、Levi’s が好き」

 

Somethingは、女の子のジーンズよね」

 

と言われた。

 

言っている意味は、よくわからなかったが、

 

彼女には、行きつけのジーンズ専門店があるというので、

 

そこへ連れて行ってもらった。

 

 

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狭いお店には、ジーンズが所狭しと並んでいた。

 

ほとんどのジーンズが70008000はする。

 

(ほへ~。アメリカ製って、お高いのね・・・)

 

(私、行きつけの西友とは、大違いだ・・・)

 

 

超ショートヘアの発育不全みたいなほっそい店員が

 

慇懃無礼に対応してくる。

 

「お客様のサイズはいくつですか?」

 

えっ、サイズって、いっても、

 

20とか30とか、わけわからん。

 

「これは、インチですよ。」

 

インチ!? 何、それ? おいしいの?

 

「ちょっと・・・サイズわからないのですが・・・」

 

不覚にも声がかすれてしまった。

 

店員は、鼻をフンッと鳴らし、

 

おもいっきり下の方にある

 

ジーンズを引っ張り出した。

 

「お客様なら・・・これくらいかな・・・」

 

一番サイズがでかいやつだ!

 

横の友達は、私より数インチ、細いジーンズを選んで、見ている。

 

 

「お客様は、どのようなスタイルがお好きですか?」

 

えっ、スタイルって、何のこと?

 

「あっ、あの、なるべく細く見えるようなものを・・・」

 

く~、なんでこんなバカな答え方をしてしまったのだろう・・・

 

店員は、今度は、冷笑を浮かべ、

 

「でしたら、これですね。」

 

と選んでくれた。

 

 

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      うへ~ 

 

そして、試着室へ・・・

 

穿いてみる・・・

 

えっ、入らない!

 

ちょっと、どういうこと!

 

ハネてみる。ハネてみる

 

 

あ~、ダメだ! 脱ごう!

 

待って!今度は、脱げない!

 

「お客さま~、いかがですか?」

 

外から、店員が声をかけてくる。

 

「あっ、ちょっと、待ってください」

 

 

ともかく、脱ごう!

 

で突っかかる!

 

太ももでも、張り付いて取れない!

 

ふくらはぎからさえも、剥ぎ取れない!

 

これって、どういうこと!

 

 

悪戦苦闘している中、

 

店員が何度も声をかけてくる。

 

「お客様~、いかがでしょう?」

 

(西友じゃ、店員が試着室に、声なんてかけてこないのに!)

 

「う~ん、ちょっと、思ったのと違うかな~」

 

「待ってくださいね~」

 

 

やっと、脱げた。

 

靴下も脱げたが。

 

脱げたジーンズは、すべて裏返しになり、

 

脱皮した蛇の皮のように、おぞましい状態だった。

 

 

店員が、又もや、聞いてくる。

 

「お客様~、どうですか~」

 

(もう、絶対、これ嫌がらせでしょ!)

 

「やっぱり、これ好みじゃないですね。」

 

(やっと、上手に答えられた!)

 

 

汗だくになって、

 

「私、今日は、買うのやめます。」

 

と、たたんだジーンズを

 

天敵、ガリガリ店員に返した。

 

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友達は、2着買った。

 

どっちも1万円以上するものだった。

 

そして、丈がめちゃくちゃ長くて、思い切り、切ってもらっていた。

 

「アメリカ製ですからね~」

 

その大量の布地、横に回せよ!

 

 

店を出て、夕日を見た。

 

アメリカ本場のジーンズって、やせないと穿けないんだ~。

 

しかもものすごく高いものなんだな~。

 

遠いぜ。ヤンキー。

 

 

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が、あの体験はなんだったんだ!

 

アメリカでは、Levi’sだって、何だって、

 

サイズ、無限にあるぞ!

 

しかもメチャクチャ安い!

 

 

しかも、アメリカでは、「ゴム入りジーンズ」に市民権だってある。

 

(あの日の汗と涙を返せ!)

 

やったー!

 

これぞ、ヤンキー!

 

(よくわからないけど)

 

 

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現在のババアの感想・・・

 

ババア、もうジーンズなんて穿かないぞ。

 

思い切り伸びるレギンス、一択。

 

もちろん、股ずれで、穴だらけです。

 

 

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note.mu

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      人形にままでいるのも悪くないな