ババアにもあった、うら若き時代の恥ずかしい話(っていうか恥だけの人生だけど)
アメリカに来たばかりの頃、小さい語学学校に通っていた。
ある日、「恥ずかしい話」を披露し合おう、ということになった。
実は、私には、思い出すと叫ばずにはいられない「恥ずかしい話」がある。
私の実家は、自営業をしていて、繁忙期には、住み込みで、アルバイトの大学生を雇っていた。
その年は、3人の19歳!の男の子たちが我が家で働いてくれた。
我が家も20、18,16歳の年頃の姉妹で、(私は3番目)
自営業を手伝っていた。
繁忙期なので、休みなどなく、毎日朝2時から起きるような激務の中、
若い私たちは、だんだん仲良くなっていった。
ある日、一日だけ、休みをとることができた。
そこで、みんなで、近くの観光地に遊びに行った。
三人の中の一人の男の子が、妙に私の写真を撮りたがった。
どうやら、私に気があるらしい・・・?
そういう経験が皆無の私は、テンションがあがってしまい、
思いっきりぶりっ子をし始めた。
ぬいぐるみなど、かわいいものを見つけると
「きゃぁ、かわいい~」
と、高い声を出し、
ぶきっちょな上目遣いをしてみせたりした。
「私、かわいいものが大好きなの~」と
バカでっかいワニのぬいぐるみを抱きしめた。
ブスがうざ~
そうやって、一日を過ごし、さぁ、帰ろう、という時に、
私に気がある(と思われる)男の子がいない。
しばらくすると、彼は、私が抱きしめていた、
バカでっかいワニのぬいぐるみを抱えてやってきた。
そして、ぶっきらぼうに、そのぬいぐるみを私に放り投げ、
そのまま何も言わず、車に乗り込んでしまった。
他のみんなは、たちまち、冷やかしだした。
私は、体をくねくねさせながら、
「この子の名前、何がいいかな~」
と甘えた声をだした。
ワニ
その日の夜、みんなで花火をした。
次から次へと色や形を変えていく、花火を見ながら、私は、人生で初めて、
「甘酸っぱい」という感覚を感じていた。
その頃、テレビでやっていた「男女7人物語」のひとりになったような気分だった。
見かけは「今くるよ」なのに、心に中では「大竹しのぶ」になっていた。
そのうちあんなにあった花火がなくなって、線香花火だけが残った。
皆で、線香花火を一つずつ持って、輪を作り、かかんだ。
線香花火が小さくチカチカ光りだした。
本当に静かだった。
誰も何も話さず、ただ、線香花火の光を見ていた。
みんな、この瞬間、静かさ、若さ、を感じていた。
その時、
ぷ~~~~~~
私のおならが、静寂を、青春を、すべてを崩した。
その後は、みんな、大爆笑!
私は、狂ったように叫び、家の中に駆け込んだ。
泣いてわめいてる私を、みんな
「ジャスミンの香がしたよ」
「天皇陛下だって、おならはするんだよ」
などと、慰めて?くれた。
いや、傷をひろげてくれた。
もう、人生・・・終わった。
恋?・・・そんなもん、もちろん飛び散った。
その後、買ってもらったバカでかいワニのぬいぐるみは、
「屁っくん」と名付けられた。
先生の話してくれた「恥ずかしい話」は、こんなもんじゃなかった。
先生が高校生の時の話だ。
その時、ジーンズに穴を開けて穿く、というのが流行っていた。
先生は、洗濯が嫌いで、ある日とうとう、きれいが下着がなくなってしまい、
仕方なく、下着をつけず、ジーンズを穿いて、学校に行った。
その日の授業は、「ウーマンリブ」についてのディベートで、
男女別れて、向き合って座り、意見をぶつけ合った。
先生も時々、立ち上がるほど積極的に参加して、白熱した議論をしあったそうだ。
それから、家に帰ってきて、ジーンズを見たら、
なんと股に大きな穴が開いていた!
ジーンズには、穴がいっぱいあったので、朝は見落としてしまったらしい。
さすが、アメリカ女性!
「ウーマンリブ」を身の持って表現した!
ということか?
議論も白熱するわな。
現在の自分の感想・・・
「男女7人物語」だってー!
もう、古典の世界でしょう。
「祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり」でしょー
ってなんのこっちゃ。
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