ババア、外国人から熱烈に告白される⁉
私のアメリカ生活が始まった。
ホストファミリーには、5人もの子供がいて、
私の相手をしているヒマはない。
また、私は英語が悔しいほどに話せない。
こんな私の慰めは、ハウスメイトの韓国学生キュワンだった。
キュワンは、私のめちゃくちゃな英語を理解しようとしてくれ、
また私も彼女の英語ならわかった。
キュワンは私より年下だったが、まるで保護者のようにめんどうをみてくれ、
毎日のようにおしゃべりをした。
彼女の存在はまさに砂漠の中のオアシスだった。
ある日、彼女の誕生会が仲間で開かれるということで、
キュワンは私を連れて行ってくれた。
そこにはキュワンの友人である十数人の韓国人がいた。
彼らは一様に親切だった。
皆、韓国語で話しているのだが、お酒がはいってワイワイしだすと、
言っていることがわかってくるから不思議だ。
それにしても酒というのは、人と人との隙間を埋める魔法の液体だ。
そして「イッキ」は両国の友愛を生む。
その誕生日会から数日後、キュワンが
「一緒に買い物に行こう。この間、誕生日に来ていた男の子も来るよ」
と言った。
今思うとなんとなく不自然な誘い方だった。
ダウンタウンで彼と待ち合わせした。
すると彼の手には一本の深紅のバラが…。
それを私に差し出してくる。
???だったが、くれるモノは何でも有難くもらう質なのでもらった。
豚に真珠
スターバックスでコーヒーを飲み始めると、彼は
「自分はあれからあなたのことばかり考えている」
と熱烈に告白してきた。
マジかー!
あまりのストレートさに
(まぁ、歪曲に言われても、私の英語力では理解できんだろうが)
金縛りになってしまった。
「好き」って、誕生日で数時間、顔を合わせただけじゃん!
数時間後、キュワンと家に帰ってきたら、電話が鳴った。
出てみると彼だった。
今別れてきたばっかりなのに
「I miss you」
というではないか!
どひゃ~!
その後、彼から一生涯忘れられない手紙をもらう。
それは4コマの絵がかいてあり、その横に文章が書いてあった。
1コマ目。針と糸の絵。「糸と針は役に立つ。なぜなら共にいるから」
2コマ目。花と蜜蜂の絵。「世界は美しい。なぜなら花と蜜蜂が共にいられるから」
3コマ目。月と星の絵。「暗い中にあっても、月と星は寂しくはない。なぜなら共にいられるから」
ラスト。男の子と女の子の絵。「僕はもう寂しくない。とても幸せだ。すべてが美し見える。なぜなら、いつもずっと君と共にいられる事を信じているから」
うひぇ~!
さらに彼から毎晩!電話があった。
しかしさすがの私も、一週間後、夜中2時!の電話に爆発!
「君のことが心配なんだ」
という彼に
「I don't want your worry」
「Don't call me again 」
と言って電話を切った。
キュワンは
「私ならそんなにハッキリ言えないな」
と言ったが、
私は遠まわしに言えるほどの英語力がないんだよ~。
それから数カ月して、私は中国系の教会へ行くことがあった。
そこで知り合った台湾人の男の子がパーティーへ行こう、
と迎えに来てくれた。
その時さっと渡されたが、一輪の深紅のバラ。
ぞ~!
これって密かなブーム?
現在の私の感想・・・
彼から一生涯忘れられない手紙をもらう…と書いてあるが、
全然覚えていない。
そもそもこんなふうに男の子にもてた記憶が全然ない。
これって本当にあったことなのか?
いつもの私の妄想じゃないのか?
若いころの私って、こんなんだったんだゾ。
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